フッ素樹脂製配管を増産 半導体製造装置用
淀川ヒューテックは3億円弱を投じ、2019年春にも半導体製造装置用のフッ素樹脂製配管を増産する。射出成形機を現状と比べ倍増の12台にする。年間生産規模も金額ベースで、およそ倍増の10億円超に拡張。フッ素樹脂の薬品に強い特性などを強みに、半導体メモリーや中央演算処理装置(CPU)向けを含めた、先端分野の製造装置に標準採用を狙う。
淀川ヒューテックは堺市堺区にあるグループ会社に、半導体製造装置向け配管・継ぎ手の製品群「ナノリンク」の設備を増強する。
スマートフォンやサーバーなどのデータ保存に向く半導体メモリーの一種、NAND型フラッシュメモリーの工場では、CMPスラリー(研磨材)と呼ばれる化学製品を供給する装置にフッ素樹脂製配管が採用されている。19年はDRAM向け製造装置での利用を見込む。さらに、CPU向けのサンプル提供も始める。20年以降に主流になるとされる、線幅が5ナノメートル(ナノは10億分の1)と先端分野の製造装置への採用を目指す。
フッ素樹脂は金属よりも薬品に対する耐食性に優れ、粉じんも出にくい。半導体製造の重点課題である異物混入の防止に役立つ。フッ素樹脂は温度変化により大きく収縮するが、高精度に成形できる同社の製造技術を生かす。
同社の年間売上高は約300億円。半導体や液晶パネル向けに、搬送ケースやフィルム貼り合わせ機などの設備関連を供給し成長してきた。16年末に立ち上げたナノリンクは初めての自社ブランド。ナノリンクを通じ、国際的な知名度向上にもつなげる。