MLCC製造装置増産 中核部分を除き外注化 中国向け好調
淀川ヒューテックは2019年度に積層セラミックコンデンサー(MLCC)製造装置の売上高を、18年度比倍増の30億~40億円規模に引き上げる。
国策を背景に中国企業から受注が急増しているため、大阪市などの工場を拡張せず増産する。
内製はセラミックを貼り合わせるといった中核部品に絞り、それ以外は外注に切り替えていく。液晶パネル向け装置に代わる柱事業に育てる。
淀川ヒューテックはフッ素樹脂加工品や、電機電子機器の製造装置を手がける。装置事業は、液晶ディスプレー向けの偏光板貼り合わせ装置が主力。
中国は電子機器などの高度化に欠かせない、MLCCの国産化を振興。同社が手がける内部電極を形成したり、セラミックシートを積層したりする装置の受注が急増している。
中国の液晶パネル工場への投資がピークを迎えつつある中、MLCCに営業資源を移行していく方針だ。
MLCCは電流を整える機能などを持つ。スマートフォンに使われるMLCCは薄さなどが求められ、村田製作所や太陽誘電などがシェアを独占。対する中国は国策「中国製造2025」の下、スマホ部品の国産化を目指している。
そのため、同じく電子機器の高度化に欠かせない半導体メモリーなどと同様、MLCCへの投資が急増している。
日本企業はMLCCの設備を内製化する傾向にある。一方、中国企業は設備を外注することが多く、淀川ヒューテックのような日本の製造メーカーにとって、商機となりそうだ。