シール材増産3倍 車載LIB用 中国でも生産
淀川ヒューテックは、2018年末までに車載リチウムイオン二次電池(LIB)用シール材の生産量を現状比約3倍に増やす。
滋賀第2工場(滋賀県甲賀市)のフル稼働を見込むほか、中国で生産も始める。
電気自動車(EV)の普及により急拡大するLIB需要に応じる。19年度に車載LIB用の樹脂部品全体で、現状比約3倍となる30億円超の売上高を目指す。
淀川ヒューテックは電解液漏れ防止シール材「フッ素樹脂製ガスケット」を増産する。
滋賀第2は生産余力があり、稼働率を引き上げて18年末をめどに現状比2-3倍の月産200万個にする。
EV世界最大市場の中国では、LIBメーカーが現地生産を拡大する方針。これにより同ガスケットの受注も伸びる。
このため、ダイキン工業と共同出資の半導体産業用フッ素樹脂シート工場(江蘇省常熟市)で、18年末までに車載LIB用ガスケットの生産体制を構築。2億-3億円を投じ、熱プレス機などを導入する。
淀川ヒューテックが熱プレスにより形成する同ガスケットは、一般的な加工である射出成形よりシール性に優れる点が評価され、車載LIBメーカー大手からの受注を伸ばしている。
防爆機能や絶縁性を持つ樹脂部品も、車載LIB向けに需要が増加している。8月に買収した淀川プレシジョン(旧大和化成、堺市堺区)の樹脂部品生産も増やす。
富士経済によると、LIBを中心とした車載蓄電池市場は25年に16年比4.6倍の約6兆6000億円に伸びる。
海外自動車メーカーに加え、日本の大手車メーカーもEVの量販車に力を注いでいることが、淀川ヒューテックには追い風となっている。
電解液漏れ防止シール材「フッ素樹脂製ガスケット」