淀川ヒューテック、再生フッ素樹脂で量産 部品製造のCO2減
淀川ヒューテックは、フッ素樹脂のリサイクル材料を使った部品製造を開始した。製造工程で発生した端材を原料とし、社内で再利用する。すでに、リサイクル原料を使ったテスト部品の納品も済ませた。2024年内に、リサイクルしたフッ素樹脂を原料とした部品の量産を目指す。端材のリサイクルによって、製造にともなう二酸化炭素(CO2)排出量の削減を目指す。
フッ素樹脂は化学的に安定しているため、半導体製造装置や自動車の部品などに使用されている。このためリサイクルのニーズも高かったが、コストがハードルとなっていた。ただ原料不足や原料価格の高騰などから、ここにきてリサイクル品が価格競争力を発揮できる市場環境が整ってきた。装置メーカーなどユーザーからも、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)部品のニーズが寄せられていることから、リサイクル材料の利用を決めた。
淀川ヒューテックはユーザーからの評価を受け次第、量産に乗り出す。バージン材を使った製品とリサイクル品では物性が異なるため、純度が要求される部品にはバージン材の部品を供給するなど用途に応じた使い分けを提案する。小川社長は「(ようやくリサイクル品への)用途が出てきた。これから採用が進んでいくのではないか」と見通す。