熊本に電池封止材の新工場 電動車向け需要対応
淀川ヒューテックは、車載用リチウムイオン電池(LiB)の封止に使うガスケットシール材の新工場を熊本県内に建設する。
投資額は約40億円で、2026年春ごろに稼働する。同シール材の工場は3カ所目で、新工場の稼働により全社の生産能力は現状比約75%増加する。
電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)など電動車向けの需要増に対応する。
新工場は熊本県益城町の工業団地「くまもと臨空テクノパーク」内に建設する。建築面積は約3000平方メートル。25年早々に建設を始め、25年10月末に完成する。
現在、ガスケットシール材は滋賀第二工場(滋賀県甲賀市)の南棟と北棟の2工場で生産している。
新工場は22年に稼働した北棟の1・5倍の生産能力を持つ予定。素材から完成品まで一貫して生産する工場で、淀川ヒューテックのガスケットシール材工場としては最大規模となる。
同社は主に国内LiBメーカーに供給している。HVやプラグインハイブリッド車(PHV)、EV向けの需要が増加し、ガスケットシール材のフル生産が続いていた。
こうした状況を受け、後工程の熱加工を担う中国工場でも生産能力を増強したばかりだ。
同社は22年に、くまもと臨空テクノパークに約3万平方メートルの土地を取得。第1期として半導体製造装置向けフッ素樹脂部品の工場を25年2月末に完成する予定。
今回のガスケットシール材工場は第2期として位置付ける。新工場は国内向けに加え、北米向けにも供給する計画だ。