偏光板貼り付け装置 生産能力倍増へ新工場
淀川ヒューテック 大型パネル向け
液晶パネル製造装置などの淀川ヒューテック(大阪府吹田市、小川勉社長)は二十億円を投じて大阪市に新工場を建設し、偏光板貼り付け装置の生産能力を倍増させる。主に50型以上の液晶パネルに対応した偏光板貼り付け装置を製造する。シャープなど大手が大型パネルの増産を検討していることから、装置の年間供給能力を現状の十五台程度から三十台まで高め、受注拡大を目指す。
新設するのは装置製造子会社、淀川メデック(大阪府吹田市)の製造工場。大阪市内の敷地面積は約二千三百平方メートル。八月にも着工し、二00八年十月の稼働開始を見込む。部品をほかの国内工場から調達し、主に50型以上の大型パネルに対応した偏光板貼り付け装置を組み立てる。大きさなどの仕様については納入先メーカーの要望に応じて受注生産する。
偏光板貼り付け装置は液晶を注入した後のガラスパネルの両側に、明るさを整える偏光板を接着させる機器。液晶パネルの製造ラインに組み込んで用いる。偏光板の貼り付けは全自動で、一分あたり四枚程度の処理能力を持つ。販売価格は一億-一億五千万円になる見込み。
シャープが堺市に建設する新工場で、60型クラスのパネルが六枚取れる「第十世代」と呼ばれる大型ガラス基板の生産を0九年度中に開始する計画を発表。有力メーカーは相次いで50型を超える大型製品の増産に乗り出すとみられている。淀川ヒューテックでは新工場の建設で納入先メーカーからの受注能力を高め、偏光板貼り付け装置のシェア拡大を狙う。
淀川ヒューテックはフッ素樹脂製品を製造するほか、淀川メデックで液晶パネルの偏光板貼り付け装置を開発・販売する。0八年三月期の連結売上高予想は四百億円。