タッチパネル材に参入
淀川ヒューテック 携帯向けフィルム
樹脂成型品製造の淀川ヒューテック(大阪府吹田市、小川克己社長)は高機能携帯電話(スマートフォン)などで使うタッチパネル用フィルム事業に参入する。触れると電気を流す特殊なフィルムで、指やペンでなぞって操作するのに使う中核部材。タッチパネルは今後、携帯端末のほか、画像の大きなノートパソコンに需要が広がるとみて成長市場を開拓する。
開発したタッチパネル用フィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの表面に透明な導電膜をつくる。膜の材料は酸化インジウムすず(ITO)で、フィルムの上に「蒸着」と呼ぶ手法で付着させる。
電気が流れる時の抵抗を低くする特性をフィルムにもたせる独自技術を採用。操作時の反応を早め、スムーズに画面をスクロールさせることができる優位性をアピールする。画面サイズが大きいノートパソコンで効果が表れやすいとみている。
国内外のタッチパネルメーカー向けに、10月から量産を開始。まず2011年3月期に3億円の売り上げを見込む。
淀川ヒューテックは液晶パネルに偏光フィルムを張り付ける装置で、推定で約7割の世界シェアを握る。
タッチパネル用フィルム事業は09年、ジャスダック上場の東京カソード研究所から取得した。同フィルム事業を、液晶業界向けの装置や樹脂部品に次ぐ新事業と位置づけており、専門の販売組織をこのほど社内に設置し、拡販を狙う。